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頑張ってハザカケ 蔵持小学校稲刈り

名張市立蔵持小学校(蔵持町原出)の5年生25人が5日、今年5月8日に植えた田んぼで稲刈りをした。川合哉校長と担任の山本彩加先生、それに教育実習の出口友葉さんに引率されてやってきたのは、田中豊成さん(75)の広い田んぼ(約800平方㍍)の一角の55平方㍍ほどの田んぼ。田中さんの田んぼは既に刈り取りが終わっていたので、稲がたわわに実ったみんなの田んぼは、ずっしりと見事に見えた。
講師の坪田正弘さん(67)と田中さん、ボランティアの人たち10人ほどが児童らを迎えた。この人たちは子供たちが植えた稲の成長を、ずっと見守ってきてくれた。坪田さんが「みんなが5月に植えたお米が、こんなに実りました。稲1本にお米が150粒ぐらいはあるでしょう。今日はこれを刈り取ってハザカケをします。ご飯になるまで干します」と言ってハザカケの説明をした。「刈り取った稲を束にして、このワラで束ねて結びます。このワラは、去年の5年生が刈り取った稲のワラです。束ねた稲を、この棒(丸太を組み合わせて組み立てた長さ6㍍、高さ1・8㍍の稲木を示しながら)に掛けます」坪田さんが鎌を使って刈り取り、稲を束ねてハザカケの見本を示した。
この後児童らは、3班に分かれて刈り取りを始めた。初めはたどたどしいが、慣れてくると手つきが違う。ボランティアの人たちのサポートのおかげもあり、上達が早い。さすがに刈り取った稲をワラでくくるのは、難しいようだが、やがてそれも自分でくるくるとまとめ、稲を横木に掛ける児童も出てきた。それを見ていた教育実習生の出口さんは「この学習をした10年前を思いだした。懐かしい」と振り返っていた。
「はじめは怖かったけれど、だんだん慣れてきた」「稲をつかむのが不安だったが、やっているうちにスカッとして気持ちよかった」と、どの児童も楽しそうに話をしてくれる。
どんどんスピードアップして、長さ6㍍の稲木がいっぱいになり、作業開始から40分ほどではさがけが終了。最後に、学校で作ってきた案山子を2体立てて出来上がり。
坪田さんは稲刈りが終わった後、用意した絵図とモミ、玄米、ヌカ、白米、おにぎりを見せながら「稲穂から取った殻付きのものがモミ、モミから殻を取り除いたものが玄米、玄米についているヌカを取り除いたものが白米、そしてこの白米でご飯を作ります。ヌカは漬物づくり、ワラは畳造り等に使われます。稲には捨てるところが何もありません」と説明した。
児童からの質問が飛び交う「田んぼに残った株はどうなりますか?」「田んぼの肥料になります」「案山子は何のために作りますか?」「お米を食べにくる雀を、びっくりさせて追い払うためです」と坪田さんは丁寧に答えていた。  最後に坪田さんが「皆さんが束ねて棒に掛けた稲は、2週間ほど乾燥させ白米にして学校に届けます」と児童らに伝え、児童らが「ありがとうございました」と声を揃え一礼し、稲刈り体験学習が終了した。
担任の山本先生は「お米が届いたら、家庭科の時間に今日の事を振り返り、色々な人にお世話になった事や、お米の大切さをみんなで話し合いながら、使わせてもらいます。どのように使うか考えるとワクワクします」と話し、川合校長は「子どもたちが楽しみにしていた稲刈りが終わった。稲を守る案山子も立った。ボランティアを始め多くの人のおかげでお米作りができた。ありがたいことです」と感謝していた。