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4枚の写真で表現に広がりを 写団なばり 第21回写真展

写団なばり(松田賢治代表)の第21回写真展が7月15日~17日、リバーナホール(イオン名張店3階)で、新型コロナウイルス感染症まん延のため3年ぶりの開催となった。
当クラブは1999年11月結成で、「組写真又は連作」を創るグループ。単写真では表現できないストーリー性のあるものや、時間の経過によって変化するものなど、複数の写真の組合わせで表現の広がりを求める。今回はそれぞれがテーマを設定し、4枚の組写真又は連作を表現していた=写真。  作品は、瀬森義和「霧のある風景」奈良県宇陀市他▽有田均「タタラに生きる」島根県奥出雲町▽竹本健「里の夕暮れ」名張市下比奈知▽松田賢治「ひやわい物語」名張市内▽須美忠雄「ローカルな旅」千葉県小湊鉄道▽神志那啓子「秋山憧憬」福島県会津駒ケ岳▽長谷川清「清流櫛田川」松阪市飯高町▽藤原淑隆「おかいもの」名古屋大須商店街▽奥村泰弘「惜春の候」天理市▽西山寿一「冬支度」新潟県村上市、以上10人の組写真・連作が展示。4枚で1つのテーマを追いかけているので、物語性や場の空気感の表現に余裕が生まれ、単写真にはない落ち着きを感じることができた。
藤原さんの「おかいもの」は名古屋大須商店街でスナップ撮影したもの。自転車で買い物に来た4人の女性の瞬間を切り取り、4枚並ぶことで何気ない日常性がクローズアップされていた。神志那さんの「秋山憧憬」に展開されているのは、山小屋のスリッパ置き場、入り口付近、枯草の原野(くさもみじ)とそこを歩く人影で、駒ケ岳の山容はどこにも表現されていない。しかし山が好きな人なら、そこに秋山の清涼感をたっぷり感じられただろう。松田さんの「ひやわい物語」はモノクロームで撮影されていて、人物の存在感が独特で、ノスタルジックで味わい深い。カラーより絶対モノクロが良い、と思わせるものだった。そのほかの作品もそれぞれ情緒的なもの、力強いもの、そこに行きたくなるもの等々、組写真故のストーリー性が説得力を発揮していた。
次回の予定を松田代表に尋ねると、来年は秋頃になるだろうとのことであった。次回が待ち遠しい。