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よみがえる校歌集完成 今は無き伊賀市の小・中学校

「伊賀・赤まんまの会」(菅生和光会長80)は、伊賀市の小・中学校で廃校や、統廃合で校歌が変わった小・中学校の校歌を復元、伴走譜付きの楽譜として整理しCD化に取り組んできた。取り組みは2回に分けて行い、1回目は2022年2月「なつかしい校歌をたずねて・第1集」として、小・中学校合計16校を収録。そして今回「なつかしい校歌をたずねて・第2集」として、校歌が変わった1校含め、4小学校と8中学校の校歌23曲の楽譜の整理を行い、2枚組CDとして完成させた。伊賀市教育委員会に7月21日、CD25部を寄贈し取り組みがひと段落した事を、谷口修一教育長に報告した。合計38校39曲の校歌のCDは、一つの校歌につき、ピアノ伴奏と声楽家の歌唱と、ピアノソロそれにフルート等を加えたカラオケ版の2曲が収録されている。
「伊賀・赤まんまの会」は菅生会長、波多野均副会長始め、プロの音楽家の集まり。2013年に亡くなったソプラノ歌手でピアニストの前川圓さんの教え子たちが、その教えを偲んで集まった。菅生さんは前川さんからピアノ、声楽、指揮法を学んだ。前川さんの家の庭には「赤まんま」の花が咲き前川さんはそれを愛し、絵を描き、詩を添えた。その詩に曲を書いたのが童謡作曲家の大中恩さん。会の名前はそれに由来する。
2016年1月「赤まんまコンサート」では、童謡や唱歌を主に演奏したが、小学校や中学校がどんどん無くなっていく中、古い校歌を惜しむ思いが話し合われ、声楽家の波多野さんは、自分が卒業した中学校が無くなったことも『校歌を残す』大きなきっかけになったという。2020年1月26日「赤まんまの会 なつかしい校歌をたずねてⅠ」としてシリーズの第1回演奏会を開催。旧上野編その1として小中校の4校の校歌を始め、懐かしい歌の数々をプログラムにした。本格的にはこれが始まりで、校歌の保存・復元を続けていくことになり、伊賀市教育委員会地域活動支援事業の助成も決まった。統廃合等で歌われなくなった伊賀市の小中校の校歌は38校に及び、中には町立から伊賀市立になって校歌が変わった学校があり、全部で38校分39曲となった。その中でメロディも伴奏も楽譜が残っているのが16曲。21校はメロディだけが残っており、伴走譜は菅生さんが作曲した。第1集の小田小と第2集の阿波中学は、メロディも残っていなかった。それぞれ校歌を記憶している卒業生を探しだし、歌ってもらい、菅生さんが採譜し、伴走譜付きの楽譜にした。協力してくれた2人とも70歳を超えていたが、しっかりと歌ってくれたという。
赤まんまの会では、「なつかしい校歌をたずねてⅡ」として青山編、「なつかしい校歌をたずねてⅢ」として阿山・大山田編の演奏会を重ねてきた。9月17日には「なつかしい校歌をたずねてⅣ」の演奏会を開く。旧上野編その2として小中校12校の校歌や、四季の歌、卒業写真、いい日旅立ちなど、歌い継がれる昭和の歌を歌う。入場料は一般1000円。チケットは、あやま文化センター、伊賀市文化会館、サワノ楽器、岡森書店白鳳店、井筒屋あかもん店、青山ホール(以上伊賀市)。前田文具店、ブックスアルデ(以上名張市)。
歌詞・楽譜付きの第2集CDも、コンサート開催日から発売する。サワノ楽器店と岡森書店白鳳店で、2000円で販売予定。第1集のCDは売り切れており、来春、1・2集のセット版の販売を計画中。お問い合わせ先は、菅生さん(電話090・3930・5568)まで。
名張市でもこの活動が必要
菅生さんは「名張は市域も狭いし、廃校や統廃合の校数も少ないが、CDにまでしなくても、せめて楽譜に整えて残すべきだと思う。学校要覧や卒業アルバムには、歌詞しか載っていない場合が多く、楽譜があっても伴走譜までは残っていなかったりする。小学校や中学校の校歌は、歌で地域愛を醸成するのに大きな意味がある。現在ある校歌も、ピアノ伴奏譜の伴ったしっかりしたものが整っているかどうかも、改めて確認しながらまとめた方が方が良いと思う」と心懸かりを話していた。

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